「…なるほど。迅の気持ちはよく分かった。そりゃ、突然好きだなんて言われたらそうなるよな。しかもこんな遊び人に」
「あ、遊び人だなんて、俺は…！」
「いいって、他人にどう評価されてるのか知ってるしな」
「でも、それは俺の評価じゃないです」
利央に言ったように、慎吾さんにもそう言い切ると、口をポカーンって開けて驚いてる。
ヤバイ、ちょっと偉そうに言ってしまったかも…上から目線だったかな！？
「す、すいません！ 生意気な感じになっちゃって…！ そ、そうじゃなくてですね、あのー何ていうかそれは俺の気持ちっていうか、慎吾さんの噂はいろいろ聞いた事ありますけどそれと俺の慎吾さん像が食い違ってるっていうかハッキリと同じだと感じてないっていう意味でして…！」
あぁ、また早口で長々と喋ってしまった…
しかも途中で何を言ってるのか自分でも分からなくなってるし！
やっぱり話をまとめてから来れば良かった！
慎吾さんが「え〜…？」って顔してるし！
あーあ、コイツ変な奴だって思われたかもしれない…
何で好きだって思ったんだろう、なんて後悔してるのかも…
何やってんだ、自分のバカ！
せっかく好きだって言ってもらえたのに！
…ん？
「…迅」
「は、はい！ すいません！」
「いや、怒ってない。そうじゃなくて、そんな風に言われたの初めてだ」
「え？ ど、どの辺りが…？」
「全部。やっぱり、俺の思った通りだ」
「え？ な、何が…？」
緊張と自己嫌悪と、よく分からない感情でぐるぐるになってる頭では、慎吾さんが何を言ってるのかが理解出来ない。
何をどう言ったんだっけ…？
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