もし、これで宮川の話が
相談じゃなくてノロケだったら。

一発殴ってやろーかな。


●●続きは明日●●●


「……はぁ」
「どーしたん?」

俺が小さく漏らしたため息が聞こえたようで、織田がすぐに声かけてきた。
メール送信画面を閉じて、「何でもない」とだけ告げて織田に背を向ける。

ふと時計を見ると、21時半過ぎ。
織田はまだ課題が終わってないようで、まだ机に向かってる。

俺はというと、10分前ぐらいに終わってしまったからベッドでゴロゴロして…織田が終わってかまってくれるのを待ってたんだけど、それも出来なさそうだ。

「宮川が、また部屋に来たいって」
「え、今夜?」

「そう。何か相談したい事があるんだってー」
「相談〜? どうせノロケやろ」

うん、俺もそう思うけど。
でも、もしかしたら本当に困ってて、緊急の相談かもしんねーしな。

「どーかな。聞いてみないと分かんねーけど…」
「…ちょぉ断ってや」

「え?」
「今夜はアカンて」

よいしょ、と立ち上がりながらノート類を閉じる。
課題終わったのかな…と思ってると、織田がベッドの淵に座って、俺の髪を梳いてきた。
手つきも表情も優しいのに、断れって口調だけは、結構厳しいような…?

「何でダメなの?」
「宮川が来たら、デきないやん」

髪を梳いていた指が、すすっと首筋を撫でた。
その仕草だけで意味が分かってしまって、少しだけ胸がトクンと弾んだ。


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