はーあ、
マジでコイツには適わないな。

俺のが年上なんだけど…ま、いっか!


●●何様俺様榛名様●●●


「…かぐさん、ちょっと」
「はいはい…」

部活終わりで、榛名に呼び出されるのは ここ最近、毎日だ。
ハッキリとは覚えてないけど、たぶん1ヶ月以上は休みなく連れて行かれる。

他の部員には『榛名からの熱血指導を受けている』と思われているらしいが…それが本当だったら、どんなにラクか。

「で、答えは出ましたか?」
「…はぁ」

答えっていうのは、…その、榛名から告白された時の返事の事だ。
最初に好きだと言われた時は、てっきり冗談だと思って流していたんだけど…それから毎日毎日、好きだ好きだと言われ続けている。

ただの冗談だとしたら、こんなに毎日言われないだろう。
しかも、だんだんと切羽詰ってるというか…眼差しがどんどん強くなってきて。
あぁ、マジでコイツ俺の事…って思ったら、ますます返事がしづらいというか…。

「まだ信じられないッスかねぇ。こんなに毎日好きだって言ってんのに」
「…当たり前だろ。何で俺なんか…」

なんて、嘘だ。
とっくにお前が本気なのは気付いてる。

けど、自分でもどうしたらいいのか分からないんだ。
好きだと言われて、嫌悪感なんてのはなく…むしろ、どこか嬉しいというか、誇らしい気持ちになるんだけど。
こんなに誰かに想われた事なんてないから、身動きが取れないというか…!

「俺なんか、じゃないッスよ。かぐさんだから好きになったんス」
「だから、ソコがおかしいって言ってんの!」

「何でですか!」
「お前ならもっと上狙えるっていうか、不相応だって言ってんだよ!」

「不相応かどうかは、俺が決めます! ていうか、俺はかぐさんがイイって言ってんでしょ!」
「それが信じられないっつーの!」

大体、お前は宮下が好きだったんじゃなかったのかよ!
巨乳見て赤くなってたじゃねーか!

俺にはそんな乳ねーし、ましてや男だぞ男!
先輩後輩の仲だし、同じチームメイトっていうか…あーもう!

何でこんな悩まなきゃなんねーんだ!


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