「そろそろ10分経ったか?」
「いや、まだあと2分55秒ある!」
「え、お前測ってたの?」
「まーな!」
なんて、本当は嘘だけど。
もう10分経ってるけど、このくらいならごまかせるかなーって。
だって、もうちょっとだけ居たいんだもん。
「なーなー、はないー」
「ん?」
「明日は学校来る?」
「あぁ、行くよ。朝練は見学にしようかと思ってたけど」
「そだなー。無理すんなよ?」
「おー。放課後は軽く出ようかなって感じで」
「ん! 今夜もちゃんと寝るんだぞ、はないー」
「お前が来なきゃ、もっと寝れたかもな」
「えっ!」
「冗談だ」
ははは、と笑いながらガバッと起き上がった。
トイレにでも行くんかなーってちょっと避けたら、ちょいちょいと手招きされる。
こ、これはもしかして!
「くっついていいのか!?」
「くっつきたかったんだろ?」
うん!と大きく返事して、ガッと花井の腕ん中に飛び込む。
足も花井の腰に回して、全身でくっついて離れないように。
すると、花井はおれよりももっと強い力で抱きしめてくれた。
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