「…田島、俺はお前の体を心配して言ってるんだぞ」
「むー…」
「いい子だから、な? もう帰った方がいい。気持ちだけもらっとくから…」
「……やだ!」
優しい声で諭されたけど、それで言う事聞くと思ったら大間違いだぞ!
ちょっとだけ気持ちはグラついたけどさ…おれが花井の傍にいたいんだもん!
「お前なぁ〜…」
「…だって、昨日は全然花井と喋ってないし…」
「……それは、…」
「おれな、風邪ひくと寂しくなんの。だから、花井も寂しがってるかと思って…おれが傍にいなきゃって…」
「……」
「…なー、本当に居ちゃだめ? 邪魔…?」
今度はおれが大人しく喋ると、花井が迷った顔した後、また はーって深く息を吐いた。
そして、寝たままだった体勢から起き上がって、少しだけ笑って俺の頭をくしゃってした。
「しょうがねーな。10分だけだぞ」
「マジ! やったー!」
「ちょっと待ってて」
「ん?」
立ち上がって部屋から出てったと思ったら、すぐに戻ってきた。
手には白いの持ってて、それを「はい」って言われた。
「…マスク?」
「気休めだけどな」
風邪が移らないようにって、せめてマスク付けろって事だな!
花井も心配性だなぁーv
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