「俺も行きたいんだけど、ちょっと用事があって…」
「用事…?」
俺がNOと返事すると思わなかったのか、栄口が少しイジけて口を尖らせてる。
あぁ、今すぐその可愛い唇にキスしたい!って思うけど、我慢我慢…!
「用事って、なに…?」
「で、でもね! その用事も2時間かかんないぐらいで終わるから! そしたら、栄口の家に行ってもいい?」
深く詮索される前に、ぎゅーっと抱きしめて頭をまるまるっと撫でながら聞くと、栄口の体からホッと力が抜けたのが分かった。
安心したって感じで、すりりってくっついてくる。
クッ、可愛い…!
「分かった、じゃあ待ってるねv」
「うんv あ、夕ご飯も栄口と一緒がいいなぁ〜v」
「うんv じゃあ、ご飯作って待ってるv」
「わー!v 新婚さんみたい!v」
キャッキャとはしゃいでると、花井が呆れた顔で「もーいいだろ。早く出ろよバカッポー」って言ってきた。
何だかカッポーの所だけやけに発音が良かった気がする…なんて、今はそんな事どうでもいいんだった!
可愛い可愛い栄口と別れて、浜田っちの家に行くべく傘をさす。
待っててね、栄口!
きっと成功して持っていくから!
たぶん!
* * *
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