…そうだ。
俺は前から、榛名のこういう所に惹かれてたんだ。
自信があって、努力家で、でも繊細な所もあって。
榛名のいろんな面を知るたびに、俺は…
「で、どうですか? 俺のモンになる決心はつきましたか?」
「お前、スゴイ事言うな…」
「だって、俺はスゴイっスから」
「…ははは! 確かにそうだな」
何だか、うじうじ考えてるのがバカらしくなってきた。
そうだよな。榛名はスゴイ奴だ。
俺が考えてるより、ずっと先の事まで考えてるに違いない。
それでこの自信なんだもん。
きっと、俺たちはうまくやっていけるのが分かってるんだ。
「…なぁ、榛名」
「何スか?」
「お前にゃ負けたよ。そんで、これからも負け続けるんだろうな」
「…え? それってどういう…」
「こういう意味だよ!」
「うおっ!」
ゆるく抱きしめられてた距離を、自分から一気に縮めて抱き着く。
そんで榛名の耳元で、出来る限りの小さい小さい声で「俺も好きだ」と伝えた。
すると、榛名の体がカチーンと固まった。
てっきり喜んでくれると思ったのに…と体を少し離して榛名の顔を覗き込むと、薄暗い中でもハッキリ分かるぐらいに、顔が真っ赤になってた。
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