突然の事でますますパニックになって、心臓がバクバクと忙しなく動いてる。
耳元で鳴ってんじゃないかってぐらい聞こえてくる自分のソレに、自分がドキドキしてることを教えられてるみたいで余計に恥ずかしい!

あわあわしてると、榛名が少しだけ腕の力を抜いた。
離してくれるのかと思ったけど、右手の腰がっちりホールドからして違うだろう。
早く離してくんないと、俺のドキドキが榛名にバレちゃうって…!

「…俺が怖いッスか?」
「え…?」

「かぐさんの事だから、いつか俺がかぐさんの事フるとか思ってんでしょ」
「うっ!」

「そんで傷つくのが怖いから、だったら最初から付き合わない方がいいって思ってんでしょ。違う?」
「…そ、それはー…」

な、何だよコイツ!
読心術でもあるのか!?

さっきから図星ばっかり突かれて何も言い返せないんですけど!

「否定しないって事は、当たりって事ッスか?」
「……えーと〜…」

「て言う事は、本当は俺の事が好きなんだけど、その後の事を考えると怖いから答えを出せないでいるって解釈で合ってますよね?」
「え、いや、あの…、その…」

耳元で聞こえる榛名の声が、若干楽しそうだ。
何を勝手に答え出そうとしてんだ!
でも全部当たってるのが恨めしい!

「ねぇ、かぐさん。俺を誰だと思ってんスか?」
「へ…?」

「俺が、好きだって言ってんスよ。どこに不満があるんスか?」
「えっ!」

「何も不安に思う事ないッス。俺に全部任せてればいいんスよ」
「な!」

ど、どこまで俺様なんだコイツは!
榛名の自信満々な顔見てたら、根拠はないのに信じたくなってくる。

目に見えない感情とか未来とか、全部が全部榛名の思うが儘なんじゃないかと思えてくるから不思議だ。


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