* * *


「なぁ、雷するのいつ?」
「え? あー、確か夜中って言ってたなぁ…」

夜に鳴り始めて、朝には収まります、みたいな事言ってたような?
アナウンサーが言ってたのを思い出して伝えると、泉が「ふーん」と考え込んだ。

明日の準備も終わり、家事も一段落してソファーに座る。
あ、そういえばバニラアイス食べようとしてたんだった。忘れてた!

取りに行こうと立ち上がろうとしたけど、泉の方が先に立ち上がって、「よいしょ」と言いながら俺の膝上に向かい合うように座ってきた。
そのまま体重全部を預けて寄りかかってきて、ふぅと吐息を漏らした。

「アイス食べようと思ったんだけどーv」
「だめー」

「えー、終わらせたのにー」
「明日食べればいいだろ」

少し睨むようにして見上げてきたけど、それはむしろ上目使いという可愛さに拍車がかかる行為なわけで。
思わずニヤけてしまうと、泉がバカにされてると思ったのかガブッと鎖骨に噛みついてきた。

「イッテェ! ちょ、何すんの!」
「ふーんだ」

まったく、このイタズラ猫は…!
とは言っても、どんなイタズラでもイジワルでも、全然許しちゃうんだけどね!
だって可愛いんだもの!

「仕返ししよーかな〜v」
「痛いことしたら倍にして返す」

「えー! もー、怖いなぁ〜v」
「ふーんだ」

もしかして、まだ拗ねてる気分が残ってるのかも。
それとも、これから鳴るだろう雷が嫌なのかな?

とりあえず機嫌を直してもらおうと、後頭部を優しく撫でる。
すると、すぐに目がとろんとしてオーラが柔らかくなった。

そういえば、猫も頭撫でられるの嬉しいんだよな!

どこまで猫なんだ、泉!


* * *


[*prev] [next#]

7/9


目次SRTOP




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -