* * *
あーあ、やっと終わったと思ったのにー。
興味引かれるニュースがあるのか、背を向けたままこっちを見てくれない。
まだ拗ねてるのかな…?
少し時間を置いてから相手した方が良さそうだなぁ。
そう思って、干しっぱなしだった洗濯物を畳む。
片方ない靴下を「あれー?」と探してると、泉がころんと寝返ってこっちを向いた。
「そっち」
「ん?」
「そこ、テーブルの下」
「あ! あったあったv」
サンキューとお礼を言うと、泉がじーっと俺を見たまま動かない。
普段から口から出る言葉より、目の方がずっと気持ちを伝わってくるんだけど…この感じからして、「さっさと洗濯物を畳んでかまってくれ」って意味かな?
さっき俺が傍に行った時にはツレなかったくせに、本当に気まぐれっていうか何というか…
そんな所も可愛いんだけどv
「ん…?」
「お、雨かな?」
窓の外から、雨音が聞こえてきた。
そういえば、天気予報で夜から激しい雨になるって言ってたなぁ。
「朝まで強い雨になるって言ってたなー」
「へー… 強いのか…」
「雷雨になるらしいよー」
「…ふーん」
嫌そうな顔で雨音を聞く泉を見て、やっぱり猫なんだなって思う。
ほら、猫も水が嫌いだって言うし。
畳んだタオルや服をタンスにしまい、立ち上がったついでに戸締りを確認しに玄関に向かう。
そのまたついでにトイレ行ったり、出しっぱなしだったノートを鞄にしまったり…とちょこまか動いてると、泉がむくっと起き上がった。
* * *
[*prev] [next#]
6/9
【目次・SR・TOP】