しばらく沈黙が続いたけど、それを破ったのは巣山の大きなため息だった。
…あれ、何かまずかったかな…?
「ごめん、勘違いさせるような事して…」
「…あ、いや…その…」
「焦らしてるとか、本当は嫌になったとか、そんなんじゃないから」
「そ、そう…?」
「俺が大事にし過ぎてたっていうか…こっちこそ、本当にしていいのかな、みたいな所があって…」
「う、うん…」
顔がまだ赤い。
巣山がここまで恥ずかしそうにしてるなんて、珍しいかも。
そう思ってると、ようやくバチッと視線が合った。
「じゃあ、っていうのも、アレなんだけど…」
「ん?」
「今から、してもいい?」
「…え、…ええっ!」
「何だよ、沖から言ってきただろ」
「あ、いや! 今日はほら、もう終わったし…!」
いきなりの提案に、今度は俺が慌てる番になった。
そりゃあ、一応覚悟はついてるつもり…だけど、今日のノルマはこなしたというか、明日とか明後日とかだと、心の準備が…!
「泊まっていい? 帰るの面倒になると思うし」
「え? え?」
「待って、今家に電話するから」
「え、ちょ、え?」
さっきまで赤くなってた巣山はどこへ?
テキパキと電話を済ませて、戸惑ってる俺の体をぎゅーっと抱きしめてきた。
「ほ、本当に…?」
「うん。大丈夫、いつも通りにしてればいいから…」
そう言って、ほっぺにキスしてきた。
い、いつも通りって言われても…!
ああ、今日じゃなくて明日聞けば良かったぁあああ!
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