・ ・ ・


利央の顔が、若干赤くなってきた。
もしかしたら熱が上がってきたのかもしれない。

あんまり長居するのも悪いかと思ったけど、もう少しだけ顔を見ていたいような気も…
って、最近はよく分からない矛盾に振り回されてばっかで、疲れるな。

「はぁ…」
「どーしたんですか?」

「いや、何か… 利央といると疲れるわ」
「ええー! 何でですか!」

「コッチが聞きてーわ。何で利央のことばっか考えなきゃなんねーんだよ」
「ええ〜…?」

「気付けば利央ばっか見てるし…風邪とかひかれると心配もしなきゃいけねーだろ」
「う… ごめんなさい…」

「利央がチョロチョロするから、目に入るのかもな… つーことで、あんまりチョロチョロすんな」
「チョロチョロなんてしてないもん!」

俺の理不尽な注意に、利央が頬を膨らませてぷんすかしてる。
あぁ、さっき来る時に想像していた顔と一緒だな。ははは。

「…でも、それ言ったらタケさんだってチョロチョロしてることになりますよ!」
「は? いつ俺がチョロチョロしたんだよ」

「俺だってタケさんのことばっかり見ちゃうし、考えちゃいますもん。これってタケさんと同じ理由だと思うんです!」
「いやいや、俺はチョロチョロしてない。普通だ」

「俺だって普通ですー!」
「いや、利央は普通じゃない。いつも動き回ってる」

「そんな言うほど動いてないもん! 今日だって大人しく寝てたし!」
「そりゃ風邪ひいたんだから当たり前だろ」

俺の反論に、ぶー!って言いながらまた頬を膨らませてる。
いちいちリアクションがガキっぽいんだよな…幼稚園児かお前は。

まぁ、そんな所が利央らしくていいんだけど。



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