・ ・ ・



コンコンとノックする音が聞こえた。
その音で少しだけ眠りから覚めて、小さく「はーい…」と返事をする。

ガチャ、と開いたドアの向こうには、予想外のタケさんが立っていて…寝ぼけてたけど、ビックリして目がさめちゃった。

「よう。大丈夫か?」
「あ… うん、大丈夫です… お見舞いに来てくれたんですか…?」

「ああ。メールしたんだけど、見てない?」
「あ、気付かなかった… ずっと寝てて、ごめんなさい…」

「いや、いいよ。寝てたんなら、そっちの方がいい」
「今、見る…」

もぞもぞと重たい布団から手を伸ばして、メール画面を開く。
『大丈夫か? 放課後に顔見に行くから』っていう内容で…心配してくれてるのが嬉しくて、つい えへへって笑っちゃった。

「何笑ってんだよ。変か?」
「んーん! タケさんがどんな顔でこのメールしたのかなーって思ったら、何かおかしくてv」

「何だそれ。心配ぐらいするだろ、普通」
「…へへへーv」

真顔で言われると、何だか照れくさいなぁ…
少し恥ずかしくなって布団に隠れると、タケさんが胸元辺りをぽんぽんと叩いてきた。

「こっちは1日中、大変だったんだぞ」
「? 何かあったんですか?」

「お前が原因だろーが… ずっと利央の事ばっか考えて、何も手につかなかったんだぞ」
「…へ?」

「利央が風邪ひかなけりゃ、こんな事にならなかったんだからな」
「…ご、ごめんなさい…?」

…え、えーと?
タケさんがずっと俺の事考えてたって…?

どういう意味だろう?
何だか、胸がドキドキしてきた…顔も熱い気がする。

うう〜、風邪のせいかなぁ〜…?



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