「泉が帰ったら、寂しくて死んじゃう!」
「それぐらいじゃ死なないから、大丈夫だ」
「やだぁ〜… 一緒に寝るんだぁ〜…」
「ええー…」
めそめそと駄々をこねながら、ぐいぐいと手を引っ張ってくる。
踏ん張って拒否しようかと迷ってる内に、抱きしめられてしまった。
「泉と一緒じゃないと、寝ても疲れが取れないよぅ…」
「大丈夫だ、自然治癒力を信じろ」
「泉治癒力じゃないと効かない…」
「何だそれ…」
ぎゅーっと抱きしめつつ、すりすりと頭を動かしてる。
シャンプーの匂いと浜田の体温に、うっかりと誘いのキスをしてしまいそうになるけど…我慢、我慢。
コイツは疲れてるんだ、さっさと寝かせてやらないと。
…あーもう、しょうがねーな。
「…分かった、じゃあ帰るのやめる」
「本当!?」
「その代り、すぐ寝るぞ。ほら」
「はーい!」
ベッドに誘導すると、いい返事をしながら布団に潜り込んだ。
俺も電気を消した後に隣に横になると、浜田が嬉しそうにふふふと笑いながら抱きしめてくる。
「いじゅみぃ〜… しゅきだぁ〜…」
「はいはい…」
もう呂律もまわってないじゃん。
半分寝てるだろ、コイツ。
「おやしゅみぃ〜…」
「おやすみ」
そう俺が返事した後すぐ、くーくーと寝息を立て始めた。
寝るの早すぎだろ… まだおやすみのキスだってしてないのに。
コイツも寝たし、そーっと部屋を出て帰ってしまおうか。
でも、明日になって「何で帰ったの!」とか言われたら面倒だし…
ううーん…
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