しばらくは、
調子に乗るのはお預けだな。
梅が忘れた頃に、
もう1回やってみよう。
●●許してハニー●●●
「おーい、はーまだー」
「…おー! どーした?」
「どーしたもこーしたもねーよ…」
「ははは! まーた梅のこと怒らせたんだろ」
「え、何で分かったの?」
「そんな顔してる時は、大抵梅のことだからな」
俺の淀んだ気分とは反対に、爽やかに笑われた。
つーか、その言い方だといつも怒らせてるみたいじゃねーか。
「で、今度は何したんだよ?」
「今度は、って… いや、ちょっと調子に乗っただけ」
「調子に?」
「お前から、梅に何とか言ってくれよ。俺が話しかけてもシカトすんだもん」
「何とかって… 俺が言った所で、何も効果無いと思うけど」
「ダメ元でいいからさー」
仲直りしたくても、謝罪の言葉さえシャットアウトされると先に進まねぇ。
浜田から話だけでも聞いてくれと言ってもらおうと思ったけど、確かに浜田じゃ力不足のような気もしてきた。
「俺より、泉に言った方がいいかもな」
「何で?」
「たまに喋ってるの見るぞ。泉もわりと懐いてるみたい」
「へー、そうなんだ」
そういえば、梅から泉君の話を聞くようになったかもしれない。
けど、俺はちょっと苦手なんだよな…嫌いなんじゃなくて、苦手。
あの目力に圧倒されるっていうか…
「頼みづらいじゃん。お前から言ってよ、メールでもいいし」
「分かった分かった。じゃあ、後でメールしとくわ」
「さんきゅー。俺が超凹んで泣いて騒いでたとも言っといて」
「ははは! どこの誰が泣いてるって?」
「同情を誘う作戦だろうが。んじゃ、そろそろ戻るわ。よろしくー」
「はいはいー」
ひらひらと手を振る浜田に、俺も同じように返して自分の教室に向かって歩き出す。
もう2.5日ぐらい口聞いてねーもんな。
口聞いても聞かなくても、どっちにしても梅のことで頭がいっぱいだなんて。
浜田じゃ頼りないけど、放課後までに少しでも機嫌が浮上しますように。
* * *
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