雨がやむのが先か、

熱が収まるのが先か。


●●ねこのご主人さま●●●


夜の20時半すぎ。
コトが終わって、後は寝るだけなんだけど…それにもまだ早いような、中途半端な時刻。

外からの強い雨音に起こされるように、泉の瞼がゆっくりと開いた。
ベッドのヘッドライトに淡く照らされた揺れる瞳には、さっきの情事の跡が色濃く残っている。

ザーザーと振り続ける雨と相反して、部屋はシンと静かで。
そのせいなのか、まるでここだけ世界から切り離されているみたいだ。

「大丈夫か?」
「ん…」

俺の問いに小さく肯定の返事をすると、部屋の時計に視線が移った。
時間を確認してる泉を横目で見ながら、少し乱れた髪を手で梳いて直す。

「いじゅみぃ〜…」
「…ふふ、くすぐってぇ」

気怠そうにしてる泉が愛しくて、ごろごろと抱き着いて甘えながら、露わになったままの肩に何度もキスを落とす。

くすぐったいのはキスなのか、触れた俺の髪先なのか…それでも、俺の甘えを拒否せず受け入れてくれる。

「なぁ、眠い? 起きる?」
「んー… 眠くないけど、起きるのダルい…」

そう言って、もぞっと布団を被せ直した。
俺もそれに倣って横になると、ごく自然に胸に顔を寄せてきて…俺もいつもの如く、腰を引き寄せて後頭部を撫でた。


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