●●One Night●●●


「…もしもし?」
『おー。おれおれー』

「はははv 俺も今、泉に電話しようと思ってとこだったんだー」
『へー。何で?』

「泉の声が聞きたくてー…v」
『…お前、よく恥ずかしげもなく言えるな。そんなセリフ』

「だって、本当だもーんv 泉は〜…?」
『…泉はー、じゃねーだろ。疲れてる声してんじゃん』

「んー…、実はそうなんだよなー…」
『実は、っつーか、みんな知ってるって』

「みんなって?」
『野球部の奴ら。浜田が疲れてるから、お前が何とかしろって言われた』

「ははは! だから電話してくれたのかーv」
『ったく… 今は何してたんだ?』

「んー、もう寝ようかなーって思って電気消して、布団に入ったはいいんだけど…」
『あー、もしかして邪魔した?』

「んーん! 入ったんだけど、泉の声が聞きたくてさぁ…」
『…へぇー』

「でも、どうせだったら会いたいなーって思ってきて…電話じゃなくて今から行こうかなー、って思ってた」
『行こうって、俺ん家?』

「そうそう」
『疲れてんのに来ようとしたのかよ』

「疲れてるからこそ、だよー。でも泉も練習で疲れてるよなー、とか、もう寝たかなー、とかいろいろ考えてた」
『ふーん… まぁ、俺も疲れてるけどな』

「はは、だよなー。お疲れさまーv」
『あぁ、お前もな』

「…ねぇ、泉ぃー…」
『んー?』


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