最初から
最後まで思い返してみたけど。
やっぱ言われてねーわ。
●●Blueberry●●●
「…なぁ、梅」
「んー?」
「変なコトしていい?」
「…え?」
天気は晴れ、気温も最適。
いつも通りダラダラしに来た梶の部屋で、ふいにそんな事を言われた。
(変なコトって何だ?)
俺はベッドに寝転んで漫画を読んで、梶は携帯のゲームで遊んでて。
この状況でする、変なコトって…
不思議には思ったけど、何となく意味は分かった。
梶の目つきっていうか…雰囲気とかが、結構真剣だったから。
知り合ってからまだ4ヶ月くらいだけど、ほぼ初日から意気投合して、味の好みとか趣味とかがバッチリで。
すぐに親友とも言えるポジションになったけど、この言葉の意味は、きっとそれ以上を含んでいる気がする。
「…何で?」
動揺を悟られないように、'普通'を意識して返事をする。
すると、梶は「シたいから」って、あっけらかんな回答をしてきた。
そりゃそうだろうよ!
そうじゃなくて、何でシたいと思ったのかを聞いてんのに!
けど、これ以上深く聞いていいのか戸惑う。
…実際のところ、俺も梶のことは気になってはいたけど。
でもそれが、親友と呼べるコイツへの心地よさなのか、それともそれ以上なのかが分からなくて。
どっちなのか答えを出すわけでもなく、ただ日々が流れていって。
まさか、コイツも俺と同じような事を考えてたんだろうか。
* * *
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