・ ・ ・
1分しないぐらいで、花井が戻ってきた。
こりゃダッシュしないと間に合わねーなと思ってると、花井が部屋の鍵をガチャッとかけた。
…え、何で?
「ちょ、何で鍵?」
「意地悪してんの」
「え! 意地悪すんなー! 間に合わないっての!」
「ははは、冗談だって」
強行突破しようと立ち上がったのに、笑ってる花井に両肩を押されて、また座らせられた。
「録画予約してきたから」
「へ?」
「好きな時に見れるから。慌てなくていいって」
「…マジで?」
呆けてる俺の隣に、花井も座った。
「ほら、田島の番だって」って言いながらオセロに目配せしたけど…それよりも!
「花井、帰ってほしくなかったのか?」
「え、そうだけど」
えっ、マジで!?
「ちげーよ」って言われると思ったのに、こんなサラッと認めちゃうなんて…ますますテンションが上がってきちゃったぞ!
「はないぃいぃ〜!v」
ゴロゴロと腰にまとわりついて甘えると、花井が笑いながら「あっついわー」って頭をわしわししてきた。
こんにゃろー…
悔しいけど、スンゲェ好きだぁあああ!
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