「…へへv しちゃいました〜v」
「…な、ななな何すんだバカ大地!!

今日1番の大声を出すと、大地が「先輩、シー!」って静かにするように言ってきた。
こんな事されて、誰が落ち着けるかってんだ!

「誰かに見られたらどうすんだ!」
「誰もいないじゃないスか〜! むしろ、先輩の大声で人が来ちゃいますよ!」

クソッ、勝手にしてきたくせに正論言いやがって…!
恐らく真っ赤になってるだろう顔を背けながら、繋いでた手を離して立ち上がる。
もう一緒にいてやんない!

「帰る! じゃーな!」
「えー! じゃあ、俺送ります!」

「うっさい! もうお前のバカなセリフは聞きたくねーんだよ!」
「バカって! ちょちょ、先輩〜!」

情けない声を出しながらついてくる大地を無視して、さっさと歩き出す。
こんな事なら、コンビニの時に置いてくるんだった…!

「つーかまーえたぁーv」
「ちょっ、は、離せ!」

後ろから抱き着いて楽しそうにしてる大地を 必死に振りほどこうとするも、力の差でそれも無意味。

…いつも こうなんだよな。
結局は、大地の思うがままにされてる気がする。


軽い自己嫌悪に陥りながらも、
抵抗する気もなくなってきて。


背中にいるデカイのは
大型犬なんだと自分に言い聞かせて、寒空の下、帰路に着いたのだった。





**END**


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