・ ・ ・


石鹸の香りを纏いながら、水谷が出てきた。
お鍋の火を止めて、入れ違いに出ようとすると、まーたくっつかれちゃった。
いちいちくっつかれると、何も出来ないんですけど…

「さかえぐち〜v」
「はいはい、すぐに上がるから。食べないで待っててね」

「もちろん! アーンして食べさせっこしよーねぇ〜v」
「ばーかv」

ここぞとばかりに甘える水谷に、思わず顔が緩んでしまう。
とりあえずお風呂だな、と思って水谷の腕からすり抜け、お風呂場へと急ぐ。

元々 水を張っていたのもあって、あとは沸かすだけだ。
沸かすボタンを押して、頭からシャワーを浴びる。

水谷も俺もお風呂に入ったわけだけど…たぶん、またお風呂に入るだろうことを予測してる自分に、また恥ずかしくなってくる。

鏡に映った自分の顔が赤いことに気が付いて、目を逸らして体を洗うことに専念する。
いつもより念入りに洗った後、脱衣所に出て体を拭いてると…

「さっかえぐっちぃ〜!v」
「うわ!」

まだパンツしか履いてない状態なのに、水谷が入ってきた。
え、何で!?

「待ちきれないから来ちゃった〜v」
「えー! い、今行くって!」

「あー、そのままでいいよ! どうせ脱ぐからv」
「へ? …って、ちょっと!」

ぎゅむむと抱きしめられて、さわさわと背中を撫でられる。
この手付き…まさか、ここでシようなんて思ってないよな…?

「ご飯は、もうちょっと後にしよ? 先に栄口を食べてから…」
「え! で、でも温めたし…!」

「また温めればいいよ〜v んー…ココじゃ不便だし、こっちこっちv」
「え、ちょっ、ちょっと!」

パンツ1枚のまま手を引かれて、リビングに連れてこられる。
ま、まさか…?


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