「ほら、入ってー。あ、鍵もかけといてね」
「はーいv」
「すぐに食べる? 先にお風呂がいい?」
「な! 何それ、新婚みたいじゃん!」
「え! いや、別にそういうわけじゃ!」
「きゃわあああ!」
リビングに入った所で、また抱き着かれる。
ただ単にお腹が空いてないか、それとも先に汗を流したいかを聞いただけなのに、変な方に深読みされた…アホだ。
「もちろん、さかえぐ」
「お風呂かご飯、どっちがいい?」
「えー! だから、さかえ」
「お風呂かご飯!」
言い終わる前に2度シャットアウトすると、観念したのか「お風呂…」と呟いた。
そんな、あからさまに しょんぼりするなって。
「ねぇ、一緒に入ろうよv」
「…まだお風呂沸かしてないから、シャワーだけだって」
「それでもいいよ〜v 一緒に洗いっこしよ〜v」
「やーだ! 水谷が先に入って、その間にシチューあっためてるから」
「えー! 何で何で〜!」
「何ででもいいだろ! ほら、入った入った!」
グイグイとお風呂場に押し込めてドアを閉めると、向こう側でまだギャーギャーと反論してる。
それを無視して、自分と水谷の荷物を部屋に持っていき、お鍋に火をかける。
一緒にお風呂なんて入ると、すみずみまで洗いづらいじゃん。
それに、洗いっこだけで済まないような気がするし…
って、何考えてんだ自分!
落ち着かないと…まだまだ時間はあるんだから!
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