* * *
そして、2日後。
軽く部活をした後、水谷と二人で並んで帰る。
本当は走って帰りたい所だけど、そこまですると はしゃいでるのバレちゃうし…
何とか平常心を保ちながら、18時半過ぎに家に着いた。
「…はい、どうぞー」
「お邪魔しまーす!」
誰もいない暗い家に、水谷の明るい声が響く。
それに少し笑いながら電気を付け、靴を抜いだ所で、グイッと腕を引っ張られた。
「わ! え、ちょっと」
「んん〜、さかえぐちぃ〜…」
すりすりと抱きしめられて、カッと顔が熱くなる。
まだ玄関なのに、もう甘えモードに入ってるみたいだ。靴も脱いでないのに。
「ちょ、っと! 待ちなさいって、の!」
ぺしっと軽く背中を叩くと、えへへと笑われた。
そんな可愛い顔したってダメなんだからな!
「お腹すいてるだろ? もう出来てるから、早く上がってってば」
「え、もう?」
だって、料理してる時間だって勿体ないと思ったんだ。
朝の内に作っておいて、後は温めるだけの状態だよと伝えると、だらしない顔しながらまた抱き着いてきた。
「俺、今日か明日で死んじゃうかもしれない…」
「え、何で?」
「幸せすぎて! 栄口のせいだよ!」
「えっ! …あっははは!v」
そんなこと言われたら、こっちだって幸せ感じちゃうじゃないか。
まだ玄関入った所なのにコレじゃ、あと1日どうなっちゃうんだろう…俺も幸せでどうにかなっちゃったりしてv
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