「…沖?」
「は、はい…」

「一応確認するけど、ちゃんと意味が分かって言ってんだよな…?」
「わ、分かってるよ! 俺だって、そういうの…その…」

興味あるから、とぽそっと呟いた。
その言葉を聞いて、今すぐにでも襲い掛かりたい所だけど…とりあえず、落ち着こう。
落ち着け、俺。

「…さっきシたいって言ったけど、沖がシたくないなら、俺はシなくても充分だから」
「…?」

「沖が少しでも嫌がるような事は、したくないから。だから、沖が一生シたくないなら、一生シなくてもいいと思ってる」
「巣山…」

俺に気を遣ってるのかもしれないと思って、一応、俺の意思を伝える。
いい子ぶってるわけじゃない、本当にそう思うんだ。
どうにかしたいのも本心だけど、ただ隣で笑っててくれれば、それでも充分過ぎる程に幸せなんだって。

「だから…」
「…違うよ。巣山に合わせてるわけじゃなくて…本当だよ…?」

よく耳を澄ませていないと聞こえないぐらいの声で、ぽそぽそと呟く。
その言葉に、反射的にグアアアッと胸に熱い何かが込み上げてきた。

幸福感とかよりも、もっと荒々しい感情。
これはきっと、獲物を狩ろうとする男の本能だ。

「…沖、逃げるなら今の内だぞ。いや、もう遅いか…」
「え?」

「どうしても嫌になったら、殴って止めてくれ。言葉だけで抵抗されても、きっと耳に入って来ないだろうから」
「えっ! こ、ここでするの? 今?」

「そうだよ。もう我慢きかねぇから」
「…ちょ、ちょっ」

据え膳食わぬは、男の恥。
いただきます!


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