* * *
梶から言ってきたくせに、俺が了承するとスゲェ驚いてた。
つっても、慌てたり大声を出すわけじゃなく、目が大きくなった程度だけど。
「…マジで?」
「おー」
変なコトと言っても、いきなり服を脱がしてきたりとかはないだろう。
いいよ、とは言ったものの、もしそんな感じの事をされたら全力で拒否してやる。
そこまでの心の準備は出来てないからな。
「よいしょ…」
少し離れた座椅子に座っていた梶が、ベッド淵に座った。
俺も寝転んでいた体勢から、左隣に並んで座ってみる。
…何だか居心地が悪い。
変なコトって何だよ、と今更だけど聞いてみようか。
そう内心焦っていると、床を見ていた俺の視界に、梶の右手が横切った。
それは俺の首元に着地して、くいっと梶の方を向かされる。
バチッと合った視線が、思いのほか強くて。
ドキッとしたのも束の間、すぐに顔が近づいてきた。
抱きしめられるか、キスのどっちかだと予想してたけど、後者の方だったか…
こんにちは、俺のファースト・キス…!
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