もしかしたら、
最初に目が合った時には、
もう恋に落ちていたのかもしれない。
○○SeaSide Blue○○○
現在、8時5分。
小型船で出かけ、趣味の釣りを楽しんでいたのは5時前。
静かに流れる時間に身を委ねていたのに、突然の嵐に巻き込まれたのは6時過ぎ。
波と風に激しく揺さぶられながら、船から投げ落とされたのは…何時だったんだろう。
遥か遠くからサンサンと照りつける太陽を浴びながら、俺は激しく咳き込んだ。
大量の水を飲んだせいか、なかなか呼吸が整わずに、しばらく咳き込み…ようやく普通に呼吸出来た頃には、自分の置かれてる状況に更に眩暈がしそうになった。
「どこやねん、ここ…」
前方には白い砂浜と、むき出しの岩肌。
後方には鬱蒼とした暗い密林。
すべて海の底へと沈んだだろう自分の荷物で、唯一残ってるのが腕にはめてある防水加工の腕時計。後は右ポケットに入っている湿ったハンカチ1枚と、左ポケットに入っていたライターが1個。
これだけで、これからどうせぇっちゅうねん。
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