もしかしたら、
最初に目が合った時には、

もう恋に落ちていたのかもしれない。


○○SeaSide Blue○○○


現在、8時5分。

小型船で出かけ、趣味の釣りを楽しんでいたのは5時前。
静かに流れる時間に身を委ねていたのに、突然の嵐に巻き込まれたのは6時過ぎ。

波と風に激しく揺さぶられながら、船から投げ落とされたのは…何時だったんだろう。

遥か遠くからサンサンと照りつける太陽を浴びながら、俺は激しく咳き込んだ。
大量の水を飲んだせいか、なかなか呼吸が整わずに、しばらく咳き込み…ようやく普通に呼吸出来た頃には、自分の置かれてる状況に更に眩暈がしそうになった。


「どこやねん、ここ…」


前方には白い砂浜と、むき出しの岩肌。
後方には鬱蒼とした暗い密林。

すべて海の底へと沈んだだろう自分の荷物で、唯一残ってるのが腕にはめてある防水加工の腕時計。後は右ポケットに入っている湿ったハンカチ1枚と、左ポケットに入っていたライターが1個。

これだけで、これからどうせぇっちゅうねん。


[*prev] [next#]
1/18

目次に戻るTOPに戻る




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -