何度でも巡り合い、
何度でも恋に落ちる。
きっと、
そういう星の下に生まれたんだ。
○○Star Festival○○○
1年に1度。
24時間だけ許された、逢瀬の日。
部屋で身支度を整え、役人が用意した牛車に乗りながら、もうすぐに会える恋人の顔を思い描いた。
ワクワクとドキドキが交差して、頭の中は大混乱。
もう少しで会える。
もう少しで抱きしめ合える。
牛車の中、震える手を握り締めながら、何度も深呼吸を繰り返した。
目的地の天の川。
まだ川は氾濫していて、目の前に大きな水の壁が立ちはだかっている。
ゴゴゴゴゴゴと大きな水音を立てるこの壁も、もう少しで徐々に少なくなり、向こう側に渡れる。
ちょっと早く着き過ぎちゃったかな。
その間に、水を鏡に見立てて手櫛で髪を整える。
服も新品だし、靴だってピカピカに磨いてきた。
早く顔が見たい。
急かす心に触発されたのか、水がゆっくりと降りてくる。
高さが身長だけ程になり、向こう側が見えてくる。
ドキドキして見つめたその先。
そこには、同じように紅潮した顔の可愛い恋人…ユウトがいた。
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