「…おいっ、お前ら!」
「わあ!」

俺の大声に あいつら全員が驚いて止まる中、金髪の男だけが「しまった…」と声に出した。
そそくさと逃げようとした男の首根っこをひっ捕まえて、じろじろと観察する。
見たところ、俺と同じ位の年に見えるけど…。

「誰だお前。ここで何してる?」
「…や、その〜…」

「こいつ、名前ないんだって!」
「はぁ?」

隆也が、偉そうに金髪の頭をてしてしと叩いた。
名前ないって、そんな奴いるのかよ?

「じゃあ、ここで何してるんだ?」
「おうちがないの… だから、一緒にいるの…」

一利が おずおずと教えてくれる。
家がないのは珍しくないけど、だからって何でここで…?

「何で俺に秘密にしてたんだ? 大事なことだろ? 分からなかったか?」
「う……」

少し責めるように言えば、尚治がかばう様に一利の前に立った。

「みんなで決めたんだ。ここに一緒にいようって」
「秘密にしてたのは…ごめんなさい」

一番頼りにしてる尚治と梓に謝られ、呆れてため息が洩れてしまった。

これで説明がついたわけだ。
こんなデケェの食わすには、いくら食料があったって足りねぇだろう。

また面倒ごとが増えたかと思うと、頭痛までしてきやがった。


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