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迅が起きている間は、少しでも離れないようにしようと決めた。
いつ消えるとも分からない命。
見張ってでもいないと、自ら生きるのを止めてしまいそうだから。
その反対に、迅が寝てる間はずっと机に向かっている。
悠長にしてられる時間などない。
一刻も早い薬の完成が必要不可欠だから。
研究か談笑が1日の大部分を占める為、睡眠時間はほとんどない。
迅と布団に入り、喋ってる間にたまに居眠りしてしまう時があるが…それ以外はずっと起きていた。
伝染病であり不治の病だとも噂されているけど、薬を完成させることはできると信じている。
他の誰でもない、俺が病に侵されていないのが何よりの証拠だ。
きっと、病気に対しての抗体があるに違いないと思った。
迅と俺で何が違うのか、その違いさえ分かれば…。
かといって、迅を実験体にすることはできない。
ただ呼吸するだけで痛む体。傷つけることなどできない。
となれば、対象はひとつ。
俺は今日も、注射針を腕に刺した。
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