・ ・ ・ ・ ・
「到着、っと。おい、着いたぞー」
アズサの声で、俺たちは牛車から降りた。
そこには、眩いぐらいの星、星、星……。
「わあああ!」
「すっげぇぇえ!」
色鮮やかな、いろんな出店が出ている。
星掬い、星飴、星煎餅に、星飾り…。
緩やかな音楽もかかっていて、俺たちのテンションは一気に最高潮になった。
「どれからする!?」
「えー、ど、どうしよう…! 迷うなぁ!」
きゃいきゃいと言い合いながら、手を繋ぐ。
最初に目に付いた星掬いでもしようか、と店の前に行くと。
「よう。久しぶり、アホフミキ」
「ちょっとコウスケ、開口一番それ?」
「アハハ! まぁまぁ、本当のことだからいいじゃん」
「えっ、どういう意味!?」
久々に会ったのに、コウスケは相変わらずの毒舌みたいだ。
それに乗っかるユウトもヒドイなぁ、もう。
ぶーぶー文句言いながら、網をもらう。
水の中をゆらゆら漂う星のかけらを追いかけるんだけど、なかなかうまく…と、取れない…。
持ち上げても、網が破れてまた逆戻り。
「鈍くせーな、相変わらず」
「う、うるさいな〜。だって、トゲトゲがあるんだもん…」
「丸いの狙えばいいだろv」
「ん? あ、ヨシローさん!」
隣の星飴屋さんは、ヨシローさんだった。
ニコニコしながら、俺にアドバイスをくれる。
けど、どうしても この大きなのがほしいんだもん…!
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