* * *



遭難して、2日目の朝。
甲高い鳥の鳴き声で起こされ、海水で顔を洗う。

1つため息をつきながら、海の彼方を見た。
途方のない海。
自分がいかに小さな存在なのか、見せ付けられてるみたいやな…。

「はーぁ…」

気分が滅入り、砂浜に座り込む。
救助がこないことはさておき、この空腹をどうしたらいいのか悩んだ。

ライターはある、燃やすものも島にある。
が、肝心な食べ物がない。

釣り道具も流されてしまったし、素手で取れるとは思えない。
何かいい方法がないだろうか、と島を歩き回っていると。

「…ん?」

岩肌に打ち上げられたのか、数種類の魚がピチピチと動いていた。まるで天の助けとも思える奇跡に、嬉々として全部拾い集め、薪を燃やして串焼きにする。
1日ぶりのメシは、腹を十分に満たしてくれた。


それからというもの、ある程度の時間が空くと同じように魚が打ち上げられていた。
それを食べた後は、何度も昼寝をして体力温存に務めた。

食べては寝て、食べては寝て。
繰り返しているうちに、いつの間にか1週間がたっていた。


[*prev] [next#]
4/18

目次に戻るTOPに戻る




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -