* * *
遭難して、2日目の朝。
甲高い鳥の鳴き声で起こされ、海水で顔を洗う。
1つため息をつきながら、海の彼方を見た。
途方のない海。
自分がいかに小さな存在なのか、見せ付けられてるみたいやな…。
「はーぁ…」
気分が滅入り、砂浜に座り込む。
救助がこないことはさておき、この空腹をどうしたらいいのか悩んだ。
ライターはある、燃やすものも島にある。
が、肝心な食べ物がない。
釣り道具も流されてしまったし、素手で取れるとは思えない。
何かいい方法がないだろうか、と島を歩き回っていると。
「…ん?」
岩肌に打ち上げられたのか、数種類の魚がピチピチと動いていた。まるで天の助けとも思える奇跡に、嬉々として全部拾い集め、薪を燃やして串焼きにする。
1日ぶりのメシは、腹を十分に満たしてくれた。
それからというもの、ある程度の時間が空くと同じように魚が打ち上げられていた。
それを食べた後は、何度も昼寝をして体力温存に務めた。
食べては寝て、食べては寝て。
繰り返しているうちに、いつの間にか1週間がたっていた。
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