裸足で歩き回るには少々痛かったが、1時間も満たない内に歩いていけるほどの孤島だということは分かった。

もちろん、人の気配はまったくない。
野生の動物もいなく、見かけるのは数種類の色鮮やかな鳥だけだった。

「こらアカンわ…」

あの嵐の中、生きているだけでも奇跡だったかもしれない。
が、このままの状況でいいわけなど到底なかった。

釣りに出たことは家族には言ってあるし、9時前には帰ると言ってきた。
いつまでも帰らなければ、きっと捜索してくれるだろう。
…それまで、俺の体力が持てばいいんやけど。

少しでも体力を蓄えておこうと、木陰にごろんと寝っころがった。
青い空と白い雲は、先ほどの嵐などなかったみたいに澄んでいる。

流されてかなり疲れていたせいか、
俺はあっという間に眠りについたのだった。





* * *


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