すぐに駆け寄りたいけど、まだ水が収まらない。
完全に水がなくならないと、ちょっと踏み込んだだけで宇宙の果てまで流されちゃう。

落ち着いて、落ち着いて。
何度も深呼吸して、水がなくなるのを待つ。

…チョロチョロの音も、完全に、消えた。

走り出したいのに、緊張してずっと見つめていた。
それはユウトも同じだったみたいで、はにかむ様な笑顔で見つめ返してくれる。

ああ、やっと会えた。
毎日毎日、思い返すこの笑顔。

その笑顔が走って近づいてきて、思いっきり抱きついてきてくれたのが嬉しくて、体が折れそうな程に強く抱きしめ返した。

「ユウト…!!」
「フミキ、会いたかった…!!」

ぐりぐりと顔を押し付けてくるユウトが最高に可愛くて、まだ会ったばかりなのに泣きそうになる。

「元気だった? 体壊したりしてない? 何も嫌なことなかった?」
「もー、そんな一辺に聞かれても答えられないよ」

クスクス笑いながら、ぎゅうぎゅうとくっついてきて。
手の震えを押さえながら、ユウトを引っ張っていく。


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