「同じ男だってのは分かってる。けど…」
「む、むりですっ…!」

ハッキリした拒絶の言葉に、ズキンと胸が痛む。
でも、俺以上にレンが苦しそうにしてるのは…なぜだ?

「俺が男だからか…? たかが性別だろ、俺の気持ちはそんなんじゃ…」
「…ち、違いますっ!」

「…俺のこと、嫌いか?」
「…それも、ちがっ…!」

ついに泣き出してしまったレンの体を、むりやりグイっと引き寄せる。
初めて抱きしめた体は、予想以上に…細かった。

「……あべくん?」
「どうしても、ダメか…?」

「…違うんだ、違う…。おれも、あべ君、好きだよ?」
「えっ!?」

「でも、ダメなんだ… おれ、おれは…!」
「…レン?」

ボロボロに流れるレンの涙を、優しく手で拭えば、震える手を重ねてきて。
寂しそうに、でもどこか悔しそうに泣くレンは、俺の心をひどくかき乱した。

「何でダメなんだ? 好き合ってるなら…」
「…だ、だって、おれ…!」

キッと俺を見つめたその次の言葉は、

俺の予想を、
遥かに超えたモノだった。






* * *


[*prev] [next#]
8/22

目次に戻るTOPに戻る




「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -