* * *
12日目の朝。
すっかり早起きにも慣れた体はピンピンしてる。
足の痛みは完全になくなり、その経過にレンは喜んでくれた。
俺も嬉しいはずなのに、どこかモヤモヤした気持ちが渦巻く。
「帰り道、教えるね…」
「ああ…」
確かに、もうここにいる理由が無い。
レポートも終わり、ケガも治った。
…けど。
「なぁ、レン」
「ん…?」
いそいそと紙に帰り道の地図を書いてくれるレンの手を、そっと止める。
「また、ここに来てもいいか…?」
「……え?」
ここを離れたら、もう二度と会えない様な気がした。
だから、約束したくなって。
それもこれも、俺が。
「レンのこと、好きみたいだ」
「……!!」
ひどく驚いたその表情。
そりゃそうだ、どっちも男なんだから。
でも、俺は自分にウソはつけない。
好きになっちまったんだから、しょうがねーだろ?
それに、生活の節々で感じたレンからの視線は、俺と同じ気持ちなんじゃないかって思うには十分だったから。
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