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「…すっごかった〜!」
「うん! うまかった〜! 独唱の所も良かったよ、レン!」

「わ、あり、ありがとう!」
「良かったな、レン」

照れながら、またタカヤの後ろに隠れてしまった。それを微笑ましく見るタカヤを見て、俺もつられてしまう。
この二人も、幸せそうで良かった!

「はー、何か感動しちゃった…。ちょっと休もっか?」
「うん、いいよ」

少し奥に見えた、大きな木の下に並んで座る。
頭上を星が流れ、横には星花が小さく咲いていた。

「ねぇ、これで冠作ろうか?」
「えー、作れるの?」

「う、作れない… 作り方は知ってるんだけど…」
「あはは、やっぱりv」

もたもたしながらやるけど、どう見ても冠じゃない。ただダラリとくっついてるだけ、って感じ。
俺の不器用さに、ユウトがまた笑った。

「ちょっと、貸してみて」

ダラリとなった花の繋がりを、丁寧に解いて。
今度は、しっかりと繋がっていく。

「すごい! もう出来た!」
「簡単だよ、これ。レンだってできるんだよ」

「え… 何かショック…」
「あははは!」

さっさと諦めた俺は、ごろんと寝っころがる。もちろん、ユウトも一緒に。
仰いだ宇宙は、大きすぎてよく分からなかった。


「…ねぇ、ユウト」
「んー?」

「……親父さん、まだ怒ってる?」
「………」


天から落ちてきたユウトの羽衣を、俺が返さなかったから。

返したら、自分も天に帰らなければならないって、君が切なく告げてきたあの時。
悪いことだと思ったけど、でも、どうしても手放したくなくて。

「ごめんね、俺が…」
「フミキは、何も悪いことしてないよ」

「でも、すぐに返せば良かったんだ…そうすれば、親父さんも」
「やめてよ。もう、この話はしないって約束しただろ」

「…うん、そうだね」
「……それに、そう言われちゃうと、まるで俺と、出会いたくなかったって、い、言われてる、みたいで…」

「ユウト…?」
「ごめ、泣かないって、決めてきたの、に…」


反対側を向きながら、肩を震わせている。
その震えを少しでも抑えようと、後ろからぎゅっと包み込む。

ユウトの悲しみが、俺の切なさが。

この空を飛んで、
どこか遠くへ流れて行けばいいのに。





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