俺が、田島の兄ちゃんだったとしたら。
同じようなコト
言いそうだけどな。
●●Hang in there!●●●
夜の9時半過ぎ。
冷蔵庫前で冷やしておいたポカリを飲んでると、飛鳥から「携帯鳴ってたよー」と告げられる。
誰だろうと思いながら部屋に戻り、画面を見ると『着信1件』と表示されていた。
メールならともかく、電話なんて珍しいなと思って名前を見ると…これまた予想外の田島で。
着信があったのは、つい1分前。
何かあったのかと思ってすぐにかけ直すと、2回のコール音の後、すぐに繋がった。
「おー、田島? わりー、風呂入ってた」
『おー…』
「で、どうした?」
『んー…』
…あからさまに元気がねぇ。
返事も歯切れが悪いし…部活中は、元気そのものだったんだけどな。
「何かあったのか?」
『…あった』
「なに? …って、お前 今ドコ?」
『…下』
田島の声の向こうから、車が通る音が聞こえた。
家の中にいるにしては クリアに聞こえるなと思って問えば、やっぱり外にいるらしい。
しかも、下にいるって…俺の家の前って事?
『…はない、出て来れる?』
「いや、行けるけど…」
『じゃあ、来て。待ってるから』
「え、ちょっと」
待てよ、と言い終わる前に、一方的に切られた。
一体何だっていうんだ。珍しい事が多すぎる。
とりあえず、適当にTシャツとハーパンを穿いて、飛鳥に「出てくるから」とだけ告げて、田島の元へ向かう事にした。
* * *
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