頭を撫でるのが
1番効果あると思ってたけど。
風邪ひくと、
自分から甘えてくるんだなv
●●溶け合う体温●●●
体がダルイと言ってたのは、昨日の夕方。
俺の心配をよそに、部活に参加したのはいいものの…夜になって、しっかりと風邪をひいたらしい。
『今日は学校休む。担任に伝言よろしく』
そんなメールが届いたのは、今朝。
やっぱりなー、なんて田島たちと言い合いながら、泉のいない席を見てはため息が出る。
ちゃんと寝てるんだろうか、病院には行ったんだろうか、薬は飲んだんだろうか。
休みなのをいい事に、布団で漫画とか読んでないだろうか。
泉の事だから、風邪を長引かせるような事はしないとは思うけど…
「浜田ー、お見舞いとか行くの?」
「泉には『来るな』って言われたんだけどさぁ」
「何でー?」
「風邪移るから、だって」
本当は学校が終わり次第、泉の家に行こうと思ってたんだけど…そんな俺の行動を予測したのか、先手を打って拒否されてしまった。
俺が風邪をひいても同じこと言うかもしれないけど、やっぱり心配だし…
「泉くん、寂しくない、かな…?」
「寂しいって?」
「おれ、風邪 ひいたら、寂しく なる…」
「あ、俺も俺もー!」
三橋の言葉に、田島が元気よく賛同する。
風邪ひくと メンタルまで弱くなるのは、俺だけじゃなかったんだな。
「あぁ、何か人恋しくなるよな」
「だよなー! 浜田ー、泉も寂しがってるかもしんねーぞ?」
「そうかな… でも、来るなって言われてるし…」
「バカだな浜田は! 泉の来るなは、来てくれって事かもしんないじゃん!」
た、確かにそうかも…?
泉は普段から素直じゃないし…いや、そこが可愛くもあるんだけど!
「…やっぱ、行ってくっかな!」
「おー! ついでに、プリントも頼むな!」
にししと笑いながら、泉の分のプリントを手渡してくる。
これって、さっき担任が田島に頼んだのだよな…まさか、泉の家に行くの面倒で、俺にけしかけたんだったりして。
…でも、これでお見舞いに行く口実が出来たわけだ。
怒られるかもしれないけど、ただ待ってるだけよりはずっとマシだし。
手土産は何にしよーかな〜v
* * *
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