ドッキリをする前には。


必ず、
仕掛け人の確認をしておかないとな。


●●目撃者・H●●●


どうしてこうなった。
そんなこと、今更後悔しても遅すぎる。

時は20時を少し過ぎたぐらい。
俺が身を潜めているココは、織田と叶の部屋のクローゼットの中。
隣には、同じように息を潜めている宮川がいて、ベッドの下には柊がいる。

なぜ俺たちが隠れてるのかというと、ただ単に織田にドッキリを仕掛けようと思ったんだ。
織田がお化け嫌いってのを叶から聞き、これは織田で遊ぶべきだろうと。

クラスメイトの演劇部の奴に小道具を借りて、俺たち3人はお化けメイク+血まみれ(絵具)のTシャツを着てスタンバイ。
ベッド下にいる柊が織田の目を盗んでこっそり電気を消し、織田が不思議がってる間に柊の合図で飛び出すという寸法だ。

織田はきっと、慌てふためいて泣き叫ぶだろう。
もしかしたら気絶すっかもしんねぇな。

そう楽しく喋っていたのは、つい10分前。
メイクも恰好も、流れも完璧のはず。
それに満足していた俺たちは、肝心の叶に伝えるのを忘れてた。

というより、『誰かが言ってるだろう』と他人任せにしてたんだな。
柊か宮川が、すでに叶に言ってるもんだとばかり思ってた。

予想外の叶の出現に(自分の部屋なんだから いるのは当たり前なんだが)、俺たちは軽くパニック。
だが、この完璧すぎるメイクで織田を驚かせたいと思っていたから、途中でやめようなんてのはなかなか諦めがつかなかった。

俺と宮川であわあわしている間、ベッド下にいる柊は、もっとパニックになってたと思う。
そうこうしている内に、何やらピンクな空気になって…

「ん〜、かーの〜…v」
「ふふふ… んん〜v」

…こんな事になってるってわけだ。


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