「…最低までオチてたけど、そっから一気に天国になったんだよな。落差すげーよ、マジで。そりゃ涙も出るって」
「はは、そーかもな」
浜田も笑いながら、俺の髪を梳いてくる。
しばらくして正気になった俺が、『俺も、お前と同じ気持ちだ』って言ったんだよな…言った後は、今度は浜田が呆然としてたんだっけ。
『え…、えぇ…?』
『…だから、俺もだって言ってんだよ』
『俺もって……え、俺も好きってこと…?』
『そう。他に何があんだよ』
『………』
『……おい、聞いてんのか?』
『…え、…泉が、俺を好き、って…?』
『だーから、そうだって言ってんだろーが! 何回も確認すんな!』
あんまり何度も言われると、コッチもいろいろダメージ来んだろうが。
照れを怒号で隠してる俺と、信じられないって顔して驚いてる浜田。
しばらくはこの状態が続いてたんだけど…ようやく我に返った浜田に、泣きながら抱きしめられたんだったな。
「泣きすぎて、次の日の目ぇ凄かったよな、お前」
「ははは、パンパンに膨れてたな」
浜田は感動してるっぽかったけど、俺は急に浜田に抱きしめられて、頭はパニック。
体中にかああああって熱が回って、かちーんって固まってたんだよな。離れろとも言えない雰囲気だったし。
付き合う事になって、その翌日。
浜田とどんな顔して会えばいいんだと悶々してたけど、あまりのマヌケ面に噴き出したんだったな。妖怪もビビって逃げ出す顔だった、うん。
[*prev] [next#]
6/8
【目次・SR・TOP】