「…最低までオチてたけど、そっから一気に天国になったんだよな。落差すげーよ、マジで。そりゃ涙も出るって」
「はは、そーかもな」

浜田も笑いながら、俺の髪を梳いてくる。
しばらくして正気になった俺が、『俺も、お前と同じ気持ちだ』って言ったんだよな…言った後は、今度は浜田が呆然としてたんだっけ。

『え…、えぇ…?』
『…だから、俺もだって言ってんだよ』

『俺もって……え、俺も好きってこと…?』
『そう。他に何があんだよ』

『………』
『……おい、聞いてんのか?』

『…え、…泉が、俺を好き、って…?』
『だーから、そうだって言ってんだろーが! 何回も確認すんな!』

あんまり何度も言われると、コッチもいろいろダメージ来んだろうが。

照れを怒号で隠してる俺と、信じられないって顔して驚いてる浜田。
しばらくはこの状態が続いてたんだけど…ようやく我に返った浜田に、泣きながら抱きしめられたんだったな。

「泣きすぎて、次の日の目ぇ凄かったよな、お前」
「ははは、パンパンに膨れてたな」

浜田は感動してるっぽかったけど、俺は急に浜田に抱きしめられて、頭はパニック。
体中にかああああって熱が回って、かちーんって固まってたんだよな。離れろとも言えない雰囲気だったし。

付き合う事になって、その翌日。
浜田とどんな顔して会えばいいんだと悶々してたけど、あまりのマヌケ面に噴き出したんだったな。妖怪もビビって逃げ出す顔だった、うん。


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