『…好きだ。…泉が、好きなんだ…』
『……』
『…っ、何で言わせんだよ! 俺は、ずっと言わないつもりだったのに…!』
『浜田…』
俯きながら、怒って責めてくる浜田。
すぐに『俺も好きだ』って言えば良かったんだけど、実際に言われたら頭が真っ白になって、動けなくなっちまったんだよな。
「泉が言わせようとしてんのは分かってたけど、てっきりフラれんのかと思ってたよ」
「わざわざ言わせといて?」
「そうそう。『やっぱりな、迷惑なんだよ!』みたいな感じで…」
「ははは、ネガティブだなー」
「だから、あん時は底辺までオチてたの!」
「あー、そうだった」
ネガティブどころか、コイツはずっとポジティブ思考だもんな。
最高にオチてる時にトドメ刺すなんて、俺もひでぇ事したもんだ。あはは。
自分の鬼っぷりに笑うと、浜田が「布団入るかー」って言ってきた。
浜田が立ち上がって電気を消してる間に、俺はずれた枕を直して先に横になる。
暗くなった部屋、ギシッと音が鳴って浜田が隣に来た。
ごく自然に腰に手を回されて、俺も浜田の胸に顔を寄せる。
違うぞ、甘えてるわけじゃないぞ。
こうでもしないと、ベッドが狭くてしょうがないからだからな!
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