「泉も、俺の事好きだったんだよね?」
「…そーだけど」
「じゃあ、泉から言ってくれても良かったんじゃね?」
「…そーだな」
ふふふと耳元で笑いながら、俺の髪と背中を撫でてくる。
本当に、コイツもバカだな。俺だって、お前との関係が断ち切られるのが怖かったに決まってんだろ。
それでも、俺は…どうしても、浜田を手に入れたかった。
あの時しかないと思ったんだ、コイツをどうにかできるチャンスって。
「でも、浜田だって言いたかったんだろ。わざわざ公園に呼び出してきたじゃん」
「…うーん、そうだったかも」
彼女と別れたその日の夜、浜田からメールがあったんだよな。
「別れました」っていう、たった5文字のメール。それに俺も「マジで?」って返信して、結局は公園で会う事になって。
「すっげー、暗かったよな」
「夜だったからなー」
「ちげぇよ! お前の雰囲気が!」
「あ、俺か!」
はははと笑ってる浜田の頭を、てしっと叩く。
今はこんなに穏やかな笑顔をしてるけど、あの夜は それはもうこの世の終わりみたいな顔してたよな。
「あの時は、最高に自分が嫌いだったからな…自己嫌悪ってやつ?」
「お前も、結構ぐるぐる考えるタイプだよな」
「そりゃーねぇ。泉のことに関しては」
「褒められてんのか、それ…」
どこか自信ありげに笑ってるけど、それって俺以外の事はテキトーに考えてるって事になるよな…それって、どうなんだ?
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