Case6:矛盾
叶 「…確かに、花井が犯人だと言ってるわけじゃないぞ」
栄口「ど、どういう事?」
叶 「例えば、花井が誰かを庇ってるっていう線もあるだろ? 例えば、花井の前…つまり、沖がすでに阿部を殺害していたのかもしれない」
沖 「えっ、おれ!?」
織田「それを知った花井が、すでに倒れていた阿部を目撃したものの、黙っていたって事か…?」
沖 「ちょ、ちょっと待ってよ! 俺はそんな…!」
巣山「やめろよ! 沖がそんな事するはずない!」
水谷「そうだよ! それに、そんな事言ったら 全員怪しいじゃん!」
西広「そうだね。俺の時点で阿部を撲殺して、後の全員が庇ってくれてるって事もあるわけだし」
叶 「まぁまぁ、落ち着けよ。俺が言いたいのはソコじゃない」
浜田「え? じゃあ、何?」
叶 「お前らの話に、矛盾がないのがおかしいって事を言いたいんだ」
花井「…矛盾って?」
叶 「この順番は、お前らの話が全部本当だと仮定して、初めて成り立つものだ。誰か一人が嘘をつけば、この順番はバラバラになり、矛盾が発生する」
田島「ど、どゆこと?」
叶 「お前ら全員が、嘘をつく必要に迫られていなかった、って事だ」
三橋「え…えぇと…?」
叶 「そこで、阿部の行動が重要な鍵になってくる。部員全員で遊んでいる中、阿部は一人で何をしていたのか…?」
織田「叶、見当ついてんのか?」
叶 「あぁ。お前らの話を総合すると、阿部の行動は こうなる」
1:携帯をいじる
↓
2:電話をかける
↓
3:電話中
↓
4:ボーッとする
↓
5:携帯をいじる
浜田「…別に、変な所なんかないけど?」
叶 「そう、この時点ではな。だが、阿部の倒れていた状況を思い出してくれ」
泉 「状況って?」
叶 「ワトソン!」
織田「はい、ホームズ!」(…)
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