「お前な、兄ちゃんがマジでそんな事思ってるわけねーだろ?」
「何で分かんだよー!」

「俺も兄ちゃん側だから。飛鳥たちのだけど」
「…んー………、…そお?」

慰めつつ、少し濡れてる田島の髪を 空いてる左手で梳いてみた。
それに 自分からグリグリと頭を押し付けてきて、つい笑ってしまう。犬かコイツは。

「あーあ、花井が兄ちゃんだったら良かったのにー…」

また口を尖らせながら、手をぎゅぅと繋いできた。
ここは外だし、あんまりくっつくのもどうかと思うけど…暗いし誰もいないし、たまにはいいか。
それに、拗ねてる田島は…可愛いし。

「俺が兄ちゃんでいいのか?」
「…あ! 良くない!」

ハッとしたように否定するのを見て、また笑った。
田島もつられて笑ってるし、気持ちも上がってきたかな。

「送ってやるよ。兄ちゃんだって待ってるだろうし」
「…う、帰りづらい…」

言い争ったまま飛び出してきたらしいから、そりゃそうだろうけど…逆に今戻らなかったら、もっと気まずくなるよな、たぶん。
 


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