* * *


「…い、いいよ」
「えっ、いいのか?」

「うん… その、初心者に優しい感じでお願いします…」
「何だそりゃ」

俺だって初めてだっつーのに。
また少し笑うと、沖が「笑いごとじゃないよ!」ってツッこんできた。
ゴメンゴメン、と謝りながら、また唇を近づける。

さっきよりも あからさまにビクッと反応して、若干体が強張ってる。
思いっきり緊張してるな…ていうか、そんな堅く口閉じられたら 入れる隙間ないって。

こうなったら、と唇を軽く舐めてみる。
すると、ピクンと反応して狙い通りに うっすら口が開き、滑り込むように入れてみる。

2つの重なった舌は、元々の体温なのか、緊張のせいなのか分からないけど…思ったよりもずっと、熱いような気がした。

「……、…」
「…ふ、……」

うまく呼吸が出来てないっぽいけど、構ってられる余裕がない。
ただ目の前の熱を貪り、絡みつけてしまう。
これは、もう意識してやってるというより、雄の本能がそうさせてるとしか思えない。

「……、すやまぁ…っ、待っ…」
「…だから、待てないって…」

「苦しいって… 息が…」
「何とかして…」

自分で言っておきながら、何とかしてって何だよと思ってしまう。
この喋ってる間も勿体ないと思ってしまう程、今の俺は熱に浮かされていた。

潤んだ目で苦しいと訴える沖は、くたんと体の力が抜けてるように見える。

その姿が尚更、俺のケダモノの部分を刺激するって分かってるんだろうか。



* * *


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