* * *
巣山に乗っかられながら、口はもちろん、顔のあちこちにキスされる。
もっと近づきたいっていうのは、体重をかけてキスしたいって事だったんだね!
確かに、コレならさっきよりもっと近づいてる気がする!(…)
「…ふふ、くすぐったいよ〜v」
「ココ? 耳弱いんだな…」
少し笑われたけど、誰だってそうじゃないのかな。
キスもだけど、吐息が耳にかかってくすぐったいんだもん。
「なぁ、沖…」
「ん?」
「舌入れてもいい?」
「……え?」
ど、どこに!?
ていうか、そんな「コンビニ寄ってもいい?」みたいな軽い感じで言わないでよ!
「ちょっとだけ。嫌だったら、すぐ止めるから」
「で、でも…! やった事ないから、どうすればいいのか分かんないし…!」
「俺だって初めてだって。深く考えなくていいから」
「そ、そんなの無理だよ!」
「ははは、大丈夫だって。沖は何もしなくていいからさ」
「えぇ〜…?」
…何でこんなに余裕なんだろう。
俺の人生で、こんなにも動揺した事がかつてあっただろうか…いや、ない!
「ダメか…?」
「…うぅ」
そんな、捨てられた犬みたいな顔されると、俺が悪いみたいじゃないか…
したくないわけじゃないんだけど…こう、緊張するっていうか…!
ど、どうしよう…
…もう、なるようになれ!
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