「眠かったら、寝ていいよ。当たり前だけどv」
「…あぁ。俺が寝たら、帰っていいから」
…逆に言うと、俺が寝るまで帰らないでほしいって事?
それとも深読みしすぎかな?
今まで いわゆる腕枕状態だったけど、俺も泉の方を向いて正面から深く抱き込む。
すっぽり腕の中に泉を閉じ込めると、目の前で泉の髪がサラッと揺れた。
「…暑い」
「風邪なんだから、文句言わないの」
口だけの抵抗なんて意味ない。
抱き込んだまま髪を梳いて、空いた手で背中を撫でると、くすぐったそうに笑った。
「こんだけ くっついて、マジで移っても知らねーぞ」
「俺が寝込んだら、見舞いに来てくれる?」
「行かねー」
「ヒドッ!」
即答すぎんだろ!ってツッこめば、楽しそうに笑ってる。
そして泉も俺の背中に腕を回して、ぴったりと密着した後 目を閉じた。
「…眠い、寝る」
「あぁ、おやすみv」
「…移したらゴメン」
「いいってv …おやすみ、泉」
うとうとしながら謝る泉の頭を撫でると、すとんと眠ったみたいだった。
静かに寝息を立てる無垢な顔が可愛くて、勝手に頬が緩んでしまう。
たまには風邪もいいかもな、なんて思ったりして。
こんな事言ったら、怒られそうだけど。
早く、良くなりますように!
**END**
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