* * *
「泉ー? 入るよー」
ノックした後、一声かけてからノブを回す。
泉の部屋なんて、超久しぶりだな。高校からは来てないから…もう1年ぶりくらい?
「…お前、来るなって言っただろ」
「プリント持ってきただけだよ、お見舞いはついでv」
「だったら、入って来なくてもいいじゃん」
「どうせだし、顔見てこうかと思って」
「それがお見舞いなんじゃねーのかよ…」
「あれ、そうだっけ?」
はははと笑いながらベッド前に座ると、はぁ…とため息つかれた。
怒ってはいないみたいだし、ちゃんと寝てるのも分かって良かったな。
「どう? 具合は」
「まずまず…」
「熱は?」
「もう下がった。昨夜がピークで、今は微熱」
「微熱って?」
「37.2だったかな、そんくらい」
これでもかと布団がかけられてる所を見ると、おばさんも心配したんだろうな。
重そうな布団から ちょこんと顔だけ出てるのは、不謹慎だけど可愛いな〜って思う。
「薬飲んだ?」
「あぁ。午前中に病院行って、注射もしてきた」
「泣かなかった?」
「バカにしてんのか?」
今までのダルそうな喋りが一変して、キッと睨んできた。
それでもどこか頼りなくて、冗談だよと笑いながら髪を撫でる。
ついでにおでこに手をやると、確かに熱はそんなにないようだった。
[*prev] [next#]
2/7
【目次・SR・TOP】