* * *
開始してから、10秒後。
…いざ始まってみると、恥ずかしくなってきた。
だって、こんな蕩けそうな目で見られちゃうと、照れちゃってすぐにでも俯いてしまいたくなる。
それでも負けるわけにはいかないから、俺も見つめ返してはいるんだけど…
「…栄口って、本当に可愛いよねぇv」
「それは水谷でしょ」
可愛く笑いながら、俺の首に手を添えて うなじを指先で撫でてくる。
それが少しくすぐったくて、思わず笑っちゃいそうだったけど…ダメダメ、笑ったら目ぇ閉じちゃうもん。
「くすぐるのナシだよ、水谷」
「くすぐってないよ、撫でてるだけv」
ほわんとした笑顔に騙流されそうになるけど、やっぱり何かズルイ気がする。
やり返してみようかな、と思って俺も水谷の首に手を延ばしたら、一瞬だけピクッと動いた。
…もしかして、水谷も首が弱かったりする?
「…いきなり触るから、ちょっとビックリしたよ〜」
「本当? 実は、弱いトコだったりしてv」
「もー、栄口のえっちぃ〜v」
「水谷に言われたくないもーんだ」
ピクッと動いたのはいいけど、視線はやっぱりそのままで。
思ったより手強いな…と思いつつ、首に置いといたままの右手でサワサワしてみる。
すると、やっぱりくすぐったそうに身を捩ってた。
ココ弱いんだな、新発見!v
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