* * *
水谷がいつもの3割増しぐらいでデレデレしながら、俺の右側に座った。
その流れで さり気なく手を繋がれて、心臓が小さく飛び跳ねる。
いつ繋いでも、温かい水谷の手。
手が温かい人は心が冷たいって、誰かから聞いたことあったけど…そんなの嘘だ。
だって、水谷はいつだって優しいもん。
「ねぇねぇ、栄口〜」
「ん?」
「俺が考えたゲーム、しない?」
「ゲーム?」
ニヤニヤに近い感じの笑顔で、甘えるように擦り寄りながら提案される。
この顔…何か悪巧みしてるんじゃないだろうな…?
「うん! 負けたら勝った方の言う事を聞く、ってのは?」
「え〜、罰ゲーム付きなの?」
「負けなきゃいいんだよ〜v」
「…どんなゲーム?」
俺が興味を示すと、水谷の笑顔がパッと明るくなって ゲームの説明をしてくれる。
とは言っても、それは凄く簡単なルールだった。
『見つめ合って、先に目をそらした方が負け』
こんな至極簡単なものだったけど…正直負ける気がしない。
これで まばたきもアウトだったら自信ないけど、それはOKなんだって。
それなら、何分だって 水谷の事見つめられるのにv
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